正しいタイミングってアパート売却にあるの?

購入時の価額と売却査定額を比べるのはナンセンス

購入時の価額と売却査定額を比べるのはナンセンス

確かに、売却額-購入額=利益というのは、一番シンプルでわかりやすい計算式です。

しかし購入してすぐの売却の場合、仲介手数料・登録免許税・不動産取得税などを支払っているので、それらを差し引くと大して手元にお金が残らないことも多いのです。また、所有期間5年以内の売却で譲渡益が出れば、「短期譲渡所得」として高い税率が課せられます。

不動産を数年前に購入した方で、「購入時より今のほうが高く売れるからすぐ売りたい」という方は少なくありません。

そもそも物件の価値は10年も経てば確実に下がります。購入額より高い金額でしか売らないほうがよいとすると、10年経った物件は売れなくなってしまうということになります。

ですが実際にはそんなことはありませんよね。 確かに不動産価値の急落リスクに備えたい・手元に大きな額を残さなくても確実に利益を出したい、という場合には短期売却も1つの手段ではあるでしょう。しかし単に購入金額と売却査定額を比べて、売却査定額のほうが大きいから売ってしまう、というのはナンセンスと言えるのではないでしょうか。

老朽化も売却のきっかけ

老朽化も売却のきっかけ

次は、売却のタイミングとなるケースです。

築20年以上のアパートでは、いまだに和式トイレ・バランス釜の風呂など古い設備の部屋があります。生まれたときから洋式トイレでバランス釜なんて見たこともない、という世代が多くなってきた昨今では、これら旧式の設備は入居者離れの一因となります。

そこでアパートのオーナーは入居率をアップさせるためにリフォームを検討することになるわけですが、バランス釜からユニットバスへの改装工事の費用相場は約80万円。和式トイレから洋式トイレへのリフォーム費用の相場は25~40万円。トイレ本体のグレード・工事の複雑さにもよりますが、50万円以上かかるケースも少なくありません。

所有しているのが一室ではなく5部屋だったり、アパート一棟だったりするとかなりの費用になっていきます。また、これらのリフォームが必要なときは他の部分ももれなく老朽化しているので、1つ新しくしたら他の古い部分が目立って、最終的には全面的に改装をしたほうがいいように思えてきます。そうなると数千万の単位の出費が予想されます。

そんなときは、売却も選択肢の1つとなります。 投資して不動産を維持するメリットと物件を手放して現金化するメリット、どちらのメリットがより大きいかをじっくり検討して選択したいもの。迷ったときには、信頼できる不動産会社に相談をしてみるとよいでしょう。

売却時のキャッシュフローだけでは判断できない

不動産売却のベストタイミングを考えたとき、手元に残るキャッシュフローを計算すると「今すぐ売るべき?」と思うことも多いもの。しかし実は売却時のキャッシュフローだけを考慮していると、大きな利益を逃してしまう可能性があるのです。

例えば、以下のような条件の物件があったとします。

  • ・年間税引き後のキャッシュフローが500万円の物件です。
  • ・この物件を今売却すれば1億5,000万円で売れます。
  • ・この物件の残債は1億2,000円です。
  • ・この物件を5年後に売却すると、1億円3,000万円で売れると予想されます。
  • ・売却の際にかかる経費は500万円です。

今売却すれば、1億円5,000万円-1億2,000円(残債)-500万円(経費)=2,500万円が現金として手元に残ります。年間税引き後のキャッシュフローが500万円なので、5年分の金額が一気に入ることになります。まるで今が売却タイミングのように思えますよね。

次に、5年後の売却によるキャッシュフローについても考察してみましょう。この物件の返済状況は次のとおりです。

  • ・この物件に対して年間400万円の元本を返済しています。
  • ・残債は1億2,000万円から2,000万円(400万円×5年)減って1億円です。

つまり5年後の売却キャッシュフローは、

1億3,000万円-1億円(残債)-500万円(経費)=2,500万円です。

これに、5年保有していたぶんの年間キャッシュフロー2,500万円(500万円×5年)がプラスされます。

つまり今売却すると2,500円が手元に残り、5年後に売却すると倍の5,000万円が手元に残るというわけなのです。考えてみれば当然のことなのですが、意外に盲点となってしまうのが「残債が減っている」という点です。このように不動産売却のタイミングを図るには、残債を考慮した長期的な視点をもつことも重要なのです。

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